2nd:2話 アーセランを追って【後編】


「セオラング!」

 

「確かにここなんだな…」

 

「アーセラン、本当にここにいるんだろうか」

 

「何があるか分からない、用心しろよセオラング…」

 

「大きな採掘場…のようだな、誰もいない…」

 

「カタン!」

「!!」

 

「カサカサ…カタン…」

 

「あ!!あれは」

 

「アーセランのスキーヴァー!」

 

「待ってくれ!」

 

「ということは…やはりここにアーセランが!」

 

「アーセラン?」

 

「いるのか?私だ」

 

「アーセラン!!」

 

「お…おい!しっかりしろ!大丈夫か!?おい!」

 

「アーセラ…」

 

「んん…」

 

「むにゃむにゃ…くかー…もう飲めねえ…」

 

「………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「よくここを見つけたな。」

「ああ、グラーヴァーが人気を避けて案内してくれた。山賊が使ってた鉱山みたいだが道具ひとつねえし、出てった後らしいな。まだ掘れそうなのによ。」

 

「それで…本当に心当たりがないのか?」

「それがよ。」

 

全くなーーーーい!!ないったらない!
突然すぎて何が何だか分からねえんだ!」

 

「そう、その事件の日!俺は一日中ホニングブリューの地下でスキーヴァーの面倒を見ていたんだ!」

 

「残念なことにサビョルンもそのことは知らねえ…実際アリバイがないんだ。」

「なるほど…だが」

 

「無罪だったらなぜ脱獄なんてしたんだ?私が説得に行くことだって出来たんだぞ」

 

「そ、それは…」

 

 

 

 

 

 

 

「おいーテメーら!急になんだってんだ!俺は善良な市民だぞ!」

「お、おい!やめイテテ!!」

 

「ああー!わかった!悪かったって、あそこでもう露天販はしねえから、罰金払うって!な!」

 

「なにが罰金だ、とぼけても無駄だぞ。誘拐した少女とお前の仲間の話を聞かせてもらわねばな」

「え? 」

 

「目撃者を連れてきました!」

「ああ、よく来てくれたな」

 

「こいつで間違いないな?」

「あ…ああ!そうだ!間違いない」

「え?え?」

 

「よし、ありがとう。もう行っていいぞ」

「ちょっと待て何言って…」

 

「トボけてるようだが今話せるんだったら話した方が良いぞ誘拐犯もとい殺人犯。」

 

「さ、殺人犯!?何を言ってるんだ!?おい!」

 

「おーーい!ちょっとぉー!?無視するんじゃねえ!」

「明日、早朝から取り調べをする、尋問の準備をしておけ」
「はい隊長、これは使いますか?」
「これは…この前壊れなかったか?」

 

「それなら水桶と爪剥がしの方がいいでしょうか」

「そうだな、最終手段として焼きゴテもあった方が良いかもしれないな。」
「はい!準備しておきます!」
「殺さない程度にしっかり聞き出せよ!」

 

「……」

 

(ゴソゴソ)

 

 

 

 

 

 

 

「な、なるほど…たしかに、その状況ではむしろ逃げて正解だったかもな、しかし…よく脱獄できたな」

 

「ああ、脱走ルートについてはほら、あのトカゲ。なんだっけ名前…えーとまあ良いや、あいつが得意そうに話してたのを覚えてたんだよ。」

(あいつか…)

 

「そんで、ホワイトランから逃げたあとはホニングブリューでスキーヴァー達を逃がして、コイツと一緒に此処へ逃げてきたんだ。」

 

「俺、最初はサビョルンに嵌められたんじゃねえかと思ったんだけどアイツは危ない橋を渡りたがらない性格だし…」

「って!そうだ!鹿肉はどうなった!?売れなくなっちまったかな…」

 

「大丈夫だ。今日の朝、衛兵が来て調べて行った。サビョルンが現在よりは安くなるが買い取ってくれると申し出ている…がサーシャはお前でないと嫌だと。返事は保留中だ。」

 

「…そっか。サーシャさん分かってんな、あれは安く買い叩かれるような肉じゃないぜ!ちゃんと交渉したほうがいい!恐らく今まで通りの値段で買い取ってくれるはずだ」

 

「交渉…」

 

「………。」

 

「…悪いな。サーシャさん説得してサビョルンに買い取ってもらえ。」

 

「俺、ハンマーフェルへ行こうかと思う。生きて出られたらだけどな。」

 

「お前にしては諦めが早いな」

 

「そ…」

 

「そりゃ悔しいけどよ!!!」

 

「けどよ、外に出れば衛兵に命を狙われるし、衛兵を殺すような真犯人を捕まえるなんて俺には到底無理だし。お前にもサーシャさんにも迷惑かかるし…それならさっさと次の手を考えたほうがいい。」

 

「そういうわけで、短い間だったけどさ最後に一応話しときたかっ…」

「アーセラン。」

 

「無実を証明する方法は他にもあるぞ」

「え?」

 

「誘拐されたと思われる少女を探して証言を得ることだ。」

 

「そ、そりゃあ確かにそうだけど、山賊に誘拐された女の子を助けるなんて、そもそも生きてるかどうかも…」

「それと、お前に似たその真犯人とやらは最近の山賊の噂と関係があるのではないかと思うんだ。私はどうも引っかかる。」

 

「そうか、山賊のアジトと少女の居場所が分かればホワイトランへ知らせて少しは協力してもらえるかもしれないな。現場を調べてみよう、まだ何か手がかりがあるかもしれない…」

「え…それって…お前…」

 

「ああ見えてもサーシャを説得するのは骨が折れるんだぞ?やれる事をやろうじゃないか。」

 

「お、お前ってやつは…」

 

「うおおおお!お前ってやつはーー!一生ついていきます!!

「そんなについてこなくていい!」

 

 

つづく。
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