2nd : 3話 山賊のアジトを探せ

~あらすじ~
ロリクステッド近辺で山賊による強盗殺人、誘拐事件が多発する中、突然アーセランが衛兵殺しの殺人犯として逮捕された。にわかには信じられないリュシアンはなんとか脱獄したアーセランと合流し、ともに事件を調べることに。事件の目撃者だというホッドに情報を聞きに来たが…

 

「ほら、あそこに見える木のもっと奥だ、夕方、息子と木の様子を見に行ったんだ」

 

 

「そうしたら対岸で何か争っているような声が聞こえたんだ。見てみたら丁度衛兵がこう…仰向け倒れてたんだよ!」

 

 

「そして、その男の正面に背の低い若い男が立っていて…血まみれの大きなナイフを持っていた!」

「はっきりと顔は見たのか?」

 

 

「ああ、変装していたが、ホワイトランの牢屋で見た奴に間違いないだろう。」

「そ、そうか。女の子の姿は見たか?」

 

 

「いや、悲鳴だけだったからなんとも。奥の方で数人動くのが見えたが霧が濃かったからな。」

 

 

「あっちにはファルクリースへ抜ける道と山脈を抜けられる洞窟がある。その辺りを探してみると良い。非常に危険だがな」

 

 

「よし!この辺りなら浅瀬だから歩いて渡れるぞ。」

 

 

「俺も村が心配だから犯人を一緒に探しに行きたいが、そんなことしたら妻に怒られるからなぁ…悪いが頼んだぞ。」

 

 

「忙しいところをありがとう。そうしてみる」

 

 

「うーん…サーシャさんの匂いがするのは申し分ねえが、動きづらいし」

 

 

「このフードの…その…センスはもう少しなんとかならなかったの?」

 

 

「仕方ないだろう、ルーカンの店に丁度子供用しかなくてな、まあその格好なら遠くから見られてもサーシャと私がいるように見えるだろう」

「それはちょっと無茶じゃねえか?」

 

 

「まあ、しかしそんなに犯人って俺に似てるのか?」

 

 

「とりあえず現場から南方面を調べてみるか、行くぞ。」

「お、おう!」

 

 

「このあたりか?」

 

 

「えーと、なにか手がかりになりそうなものは」

「…あ!」

 

 

「血だ…!」

 

 

「ここで殺されたのか」

「え!どこ…うわっ!?」ズルッ

 

 

「イテテ…」

「おい、大丈夫か?サーシャの服なんだあまり汚すなよ。」

 

 

「チッ、分かってるっつーの!……ん?」

 

 

「なんだこれ」

 

 

「ナイフ?」

 

 

「凶器ではなさそうだが…いや!これは古代ノルド人のエンバーミングツールじゃないか?」

「えーとエンバーミングツールってつまり」

「ああ、古代ノルド人は死体を乾燥させて埋葬する風習があったようだ。その時に上手く乾燥させるために臓器などを死体からを取り出すんだ。そのための道具だろう。」

 

 

「ほら、あそこに見えるのが、この辺では一番大きいノルドの墓地、ブリークフォールだ。あそこから落ちてきたのかもしれないな」

 

 

「なんだ…金にもならなそうだな」

「ワンワン!」

 

 

「どうしたセオラング?」

 

 

「今度は薄汚え布だな、犯人のものか?」

「分からないが、これもおそらく古代ノルド人の墓で見た死体を包む布だな」

「うへ、また埋葬グッズか」

「なにか妙だなブリークフォールより南に落ちている…」

 

 

「よし、向こうの方も探してみよう、行くぞセオラング!」

「お、おい待てって!!早く走れねえんだって!」

 

 

 

 

 

「スカイリムには古代ノルドの遺跡跡や墓が点在していて、そこを山賊がねぐらにしていたりする。もしかしたら、近くにブリークフォールとは別の遺跡があるのかもしれないな。」

 

 

「ああ!アイレイドの墓みてえなもんか」

「アイレイドの墓か…そうだな。懐かしいな子供の時によく入ったものだ。友達と一緒にアイレイドのゾンビに囲まれたときはどうしようかと思ったな、ハハハ。」

「よ、よく生きてたな」

 

 

「あ!あれは」

 

 

「羽ペン?なんでこんなところに…」

 

 

「そうだ…確かこの先は!」

 

 

 

ヒュオォオオ…

 

 

「うっ…」

 

 

コォオオオオ…

 

 

「げ、ゲェまた洞窟かよ!も、もしかしてここに入るのか?」

「仕方ないだろう、今のところ手がかりはこれぐらいしかない。この洞窟はホッドが言うには山脈をぬけられるらしいが…」

 

 

「グラーヴァーどうだ、なんか聞こえるか?」

「………キィ。」

「見張りはいないようだな。」

 

 

「探ってみよう。心の準備はいいか?」

「あー!ちくしょう、こうなりゃしょうがねえ!」

 

 

「よし、心の準備…心の準備………って」

 

 

「おい!そんなに早くできるか!置いてくなよ!!」

 

 

 

  「これは…」

 

 

「やはり…ノルドの墓だ」
「じゃあやっぱり、さっきのはここから持ち出されたものなのか?」

 

 

「なんかアイレイドの遺跡に比べると全然洗練されてねえな」

「いや、もう少しマシなところもある。ここはかなり荒れているな」

 

 

「静かだなァ、誰もいないの

 

 

か…」

ガッ…

 

 

カランカラン!

「ひいい!」

 

 

「シッ!奥に誰かいるかもしれないだろう」

「わ、わりい…」

 

 

「キィ!」

「おいおいお前も静かに……?」

 

 

「キィ!」

「ん?」

 

 

ヴォン…

 

 

「お…お……?」

カラカラカラ…

 

 

シュゥウウウ…

 

 

「ギ…ギギギ」

 

 

「…ヨ…クモ…カギ…ヲ…」

 

 

 

 

「ぎゃあああああ!!」

 

 

「!!」

 

 

「ギ…ギギ!!」

ヒュン!!

 

 

「ま、魔法…!間に合わな…」

 

 

「ふんっ!」

カシャーン!!

 

 

「コラ、静かにしろと言っただろう!」

「で、出来るかァ!!」

 

 

カラカラカラ…

 

 

「はあーもう!こんなところ早く出ようぜ、これだから墓は嫌なんだよ」

「なあに、ドラウグルでないだけまだ良い。トラップもなさそうだしな。」

 

 

「ドラ…グル?トラップ?おいおい、まだなんかあるのかよ…」

「まだ土が湿っているな。おや、骨壷にゴールドが残っているぞ。」

 

 

「ここも手付かずか変だな、ふつうこれだけ荒らされていれば壺の中身も無くなっているはずだが」

 

 

「な-んかお前、さっきから妙に墓荒らしに詳しくないか?」

「え!い、いや、私は…別に墓を荒らしたりなどはっ…あ!ほら、こっちに階段があるぞ!」

 

 

 

「なあ、死んでるよな…?もしかして、さっきのスケルトンが…」

 

 

「スケルトンの仕業ではなさそうだ。刃物で一撃でやられている。衛兵の殺され方と似ているな…。それに」

 

 

「そこのボトルを見てみろ」
「ボトル?」

 

 

「……あ!血がついてない…?」

 

 

「こいつが殺された後にボトルを置いた奴がいるってことか」

「仲間割れか…もしくは墓荒らしとこの男はただ鉢合わせただけかもしれないな」

「現場に落ちていた古代のノルドの道具…ほとんど一撃で殺された男…」

「………ということは」

 

 

「犯人がここに居た可能性が高い!」

 

 

「よし!ほかに手がかりがないか調べ…」

「キィ!」
「ワンワン!!」

 

 

コォオオオ…ギシ…ギシ

 

 

「ギ…ギギ」

 

 

「!!」
「げえ!!まだ居やがったのかよ!!」

 

 

「数が多い!来るぞ!」

 

 

「やべえ!ここは行き止まりだぞ!!」

「いや、かえって散らばらなくて良い、アーセラン、魔法の準備を」

「え!?あ、ああ!」

 

 

「ギ…ギギ!」

 

 

「よし!今だ!!」

 

 

「今度こそ…」

 

 

「食らいやがれ!」
ゴォオオオ!!

 

 

「やったか!?」

 

 

「………ギギ」

 

 

「なっ!効いてねえだと!?」

 

 

「クッ…しぶといな」

 

 

「クソッ火力が足りねえ!」
「!」

 

 

「アーセランそこをどけ!!」
「今度は何だよ!」

 

 

ギ…ギギギ

 

「ちょちょちょっと待って!!」

 

「な、何してるんだよ!後ろ!もう来てるって!!リュシアン!」

 

 

「こっちのほうが…!」

 

 

ギシギシ!!

 

 

「早い!!!」

 

 

「うおおおおおおお!!」

 

 

バァーーーン!!!

 

カラカラカラガシャガシャ…!!

 

 

カタッ…カタ…。

 

 

ドン!

 

 

「ふう…」

「あ…相変わらずめちゃくちゃだなお前は…」

 

 

パサ…「ん?」

 

 

「…さっきの板の下にあったのか?」
「なんだその紙は」

 

 

「これは!」

 

 

「地図だ!」

「この場所は…」

 

 

 

 

「サドレス!!おめえはいつになったら朝飯を完成させるんだ!はやくしろ!」

 

 

「ああ、わかってるよ!!肉がでかすぎるんだ!もうすぐ火が通る!」

 

 

「クソッなんで俺が食事係なんか…あいつラスゾルの恩人じゃなかったら殺してるところだ」

 

 

「ふん、いい具合に焼けたな。スープも完成だな」

カサ…
「………。」

 

 

「ボス~!朝から飲むのはやめときましょうよぉ、昨日飲みすぎてまだほとんどの奴が寝てますぜ」

 

 

「あァん!?…あれは飲んだことに入らねえぞったく、ちょっと穴掘りしただけでこの腑抜けどもが!あと、俺は今はボスじゃねえんだ、兄貴と呼べ!」

 

 

「ええ…でもボ…ちょっと兄貴って年齢じゃないですよねぇ」

「うるせえ!兄貴に年齢は関係ねえんだよ」

「しかし…俺たち本当にあいつについて行って大丈夫なんですかねぇ」

 

 

「ラスゾル、おめえは分かってねえ!あいつは”あの力”を持ってるんだぞ、墓で見ただろう。あいつは今後大きな影響力を持つに違がいねえ、今のうちにお友達になっておくのが賢い奴のやりかただ。それにお前はさっさとあの炭鉱からオサラバしたかったんじゃねえのか?」

 

 

「そりゃそうですけど、でも結局俺たち穴掘りばっかりやらされてますよね」

 

 

「良く分からねえ墓荒らしをやらされるくらいなら、前のほうがまだ…」

 

 

「うるせえ!ったくお前は文句が多いんだ!それに今日は見張りの仕事だろ!そのうちツキが回ってくる!我慢しろ!」

「ん、我慢といえば…」

 

 

「おい!!てめえいい加減にしろ、朝飯前に一日が終わっちまうぞ!サドラァアス!?」

 

 

「………。」

 

 

「おい、ニッリダあのダークエルフを鍋にぶち込んで来い!!」

 

 

「えー、しょうがねえな」

 

 

「おーいサドラス、ボ…兄貴が怒ってめんどくさいぞ!飯はまだか?」

 

 

「肉が焼けてねえならまずはスープだ!!スープをもってこい!」

 

 

「おい、ニッリダ!!聞こえてるのか!?」

「………。」

 

 

「こんのォ………役立たずど」

 

 

「ああ!か、風が強くて聞こえてないのかも!?スープなら俺がすぐにとってきますよ!」

 

 

「おーい!ボス…兄貴がぶちぎれてるぞ~!」

 

 

「サドラス!ニッリダ!なにやって…」

 

 

「え…」

 

 

「た、たいへんだ…いったい何が…」

 

 

「ボス!!!」

 

 

「大変だ!サドラスとニッリダが倒れてます!!」

 

 

「………」

 

 

「ボス!?あ、いや兄貴?聞こえてます!?サドラスとニッリダが…」

 

 

「倒れて…」

 

 

ぐらっ…

 

 

ドサッ…

 

 

「ヒっ…!!!」

 

 

「え!?ボス!みんな…!?」

 

 

「だ、だれか!いないのか!?大変だ!!」

 

 

カサ……

「えッ…」

 

 

「!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「野営地だ!」

 

 

「地図の場所で間違いない。規模が大きな山賊だな。」

 

 

「ここからだと女の子は見えねえが…あ!」

 

 

「あそこで寝てるやつがいるぜあっちにも」

 

 

 

「………。」

 

 

「アーセラン、ここに居てくれ私はもう少し回り込んで近づいてみる。」

「え!!ちょ、おい、待てって!」

 

 

「!!」

 

 

「寝ているのではない!」

 

 

「いったい何が…」

 

 

「こちらもか」

 

 

「武器を収めたまま、頭部にわずかに血が…?」

 

 

カサ…

 

 

「!!」

 

 

バッ!!

 

 

ヒュン!!

 

 

カッ!

 

 

「!?」

 

 

「石!?」

 

 

(しまった!こいつらを襲ったやつは…)

 

 

(まだここに居る!!)

 

「何者だ!私は奴らの仲間ではない!」

 

 

………カサ

 

 

ヒュッ!!

 

 

「くっ!」
カーン!!

 

 

コンッ…!

 

 

「応じるつもりはないか…」

 

 

「どこにいる…」

 

 

(投石…か)

 

 

(シンプルだが非常に殺傷力が高い原始的な武器…。正確に急所を狙い)

 

 

(これだけの人数を気づかれずに一人ずつ仕留めたのか…)

 

 

(これは…厄介な相手だぞ。まずい…なんとかしなけ…)

 

 

ガン!

 

 

「ぐあ…!!」

 

 

カランカランッ

 

 

ドシャ…!

 

 

「う…ぐ…」

 

 

 

 

 

カサ…

「………。」

 

 

ザッ

 

 

「………。」

 

 

ス…

 

 

「!!」

 

 

ガバッ!!

「うおおおお!!」

 

 

ズザザザ…!

 

 

「クッ…!」

 

 

「お前は…!!」

 

 

「チッ……わざとやられたフリを…!」

 

 

(髪の色、褐色の肌にフェイスペイント…アーセランに似ている!!そして大きな刃物……こいつが真犯人…!?)

 

 

「まあいいや。魔術師じゃないなら用はない、奴はどこにいる。」

 

 

「魔術師?何のことだ、衛兵を殺したのはお前…」

 

 

ス…

 

 

ガン!!

 

 

「僕は気が短いし今急いでいるんだ」

 

 

「シラを切るつもりなら」

 

 

「力尽くで聞くまで!!」

 

 

(魔術師…いったい何のことなのか…)

 

 

(だが、今はやるしかない…!)

ズザザザ…!
「あだー!!いててて…」

 

 

「!!」

 

 

「ああ!リュシアン!置いてくなよ!こいつら寝てるんじゃなくて倒れて…」

 

 

「なっ!!」

 

 

「アーセラン来るな!!」

 

 

「えっ」

 

 

「え…」

 

 

「!!」

 

 

パシッ!!
「あ!」

 

 

「うわっ!」

 

 

グッ!

 

 

「動くな!!武器を…」

 

 

カランカラン…

 

 

「!」

 

 

「な…なんで……お前」

 

 

「そ、そんな…」

 

 

「そういう趣味あったの…?」

 

 

「兄さん…。」

 

 

 

タイミングの悪い男、アーセラン。続く。
(拍手押してくれるとうれしいです。)

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